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【基礎編】『WBS作成意図を正しく理解しよう』

  • 執筆者の写真: 石山
    石山
  • 2021年1月15日
  • 読了時間: 5分

更新日:10月5日

プロジェクトが炎上する原因の多くは「作業の抜け漏れ」と「進捗の見えなさ」。

その解決策が WBS(Work Breakdown Structure)です。


本記事では、現場で即使えるWBS作成の手順を、実務者目線で分かりやすく解説します。

「WBSの作り方」「ガントチャートとの違い」「よくある失敗と改善策」まで網羅し、さらにYouTube動画で具体的な事例も紹介。


机上の理論ではなく、現場で成果を出すための実践ノウハウをまとめました。


WBS作成意図を正しく理解しよう
WBSを作成してプロジェクトを円滑に進めましょう。遅れが発生した際の対処方法によってプロジェクト方向性が決まります。

目次

1.|WBSとは?現場での役割

2.|WBSの目的

3.|カントチャートとの関係性

4.|WBS作成方法手順

5.|WBSフォーマットを入手する

6.|まとめ



1.|WBSとは?現場での役割

WBS(Work Breakdown Structure)は、プロジェクトを成功に導くための「作業分解図」です。単なるタスクの羅列ではなく、成果物を起点にプロジェクト全体を分解し、抜け漏れなく整理するための設計図といえます。


現場での役割は以下の通りです。

  • 抜け漏れ防止:成果物を基準に分解するため、重要なタスクが漏れにくい

  • 進捗の見える化:どの作業がどこまで進んでいるかを把握できる

  • 責任分担の明確化:誰がどのタスクを担当するかを明示できる

  • 見積り精度の向上:工数やコストを現実的に算出しやすくなる

  • 共通言語の形成:PM・メンバー・経営層が同じ構造を見て会話できる


👉 WBSは「現場の共通認識を作るための基盤」であり、これが曖昧だと後工程のスケジュール管理や品質管理も崩れてしまいます。



2.|WBSとガントチャートの違い

現場でよく混同されるのが「WBS」と「ガントチャート」です。両者は似ているようで役割が異なります。


WBS

  「何をやるか」を分解する

   成果物を起点にタスクを階層化する

   プロジェクトの全体像を構造的に整理する


ガントチャート:

  「いつやるか」を可視化する

   タスクを時間軸に並べ、依存関係を表す

   スケジュール進捗を管理する


👉 ポイントは、WBSが先・ガントチャートが後という順序です。WBSが曖昧なままガントチャートを作ると、スケジュールだけが立派で中身がスカスカという「形だけの計画」になり、現場で破綻します。



3.|カントチャートとの関係性

WBSとガントチャートは対立するものではなく、連動して初めて機能する関係です。


実務での流れ

1.WBSを作成

成果物を起点にタスクを分解

抜け漏れのない「やることリスト」を完成させる

2.WBSをガントチャートに展開

タスクを時間軸に並べる

依存関係(Aが終わらないとBができない等)を設定

工数を割り当て、スケジュールを可視化


3.運用フェーズ

定例でWBSを更新し、ガントチャートに反映

「やること」と「いつやるか」を常に同期させる


失敗例と改善

失敗例:WBSを作らず、いきなりガントチャートを作成

→見た目は立派でも、抜け漏れや粒度の不揃いで破綻


改善:必ずWBSを先に作り、ガントチャートはその「時間軸への投影」として使う

→計画の精度が上がり、進捗管理が現実的になる


👉 まとめると、

WBS=構造(やることの全体像)

ガントチャート=時間(やることをいつやるか)



4.|WBS作成方法手順

①成果物を明確化する

最初に最終成果物を明確化します。関係者とコミュニケーションを取りながら作成しましょう。


②作業洗出し

必要なタスクを記載します。0から作成するよりも、過去の類似プロジェクトを流用することで、抜け・漏れが無くなり、工数削減にも繋がりますので有効活用しましょう。


スケジュールの作成と工数見積もりを記載したら、プロジェクトメンバーと認識合わせを実施して下さい。アドバイスを受けることで、作業漏れを発見できたり、効果的に作業が進めたり、情報共有に繋がりスムーズに取り組むことができます。


③完成

スケジュールと工数見積もりが完成した時点で、プロジェクト全体スケジュールに収まるかを確認します。この際に注意すべき点は、無理なスケジュールを引かないことです。5日作業を3日作業と記載していると作業遅延が発生し、残業でカバーすることになります。


正確なスケジュールを引いても、期日に収まらない場合は、要員を追加するか期日を延ばす必要があるので、PMに相談しましょう。



5.|WBSフォーマットを入手する

WBSの作成はエクセル運用している場合が多いので、気軽に始めることが可能ですし、無料版のテンプレートもあります。過去プロジェクトのWBSを流用しながら、カスタマイズすることで、プロジェクトを円滑に進める手段の1つだと思います。



6.|まとめ

WBSの作成方法についてご説明致しました。WBSは作業漏れを把握し、スケジュール遅延を早期発見するツールです。プロジェクト遅延が発生した時は、どの様にリカバリーするのかを検討して有効な対策を打ちましょう。


現行システムを理解する時間が不足していたり、コミュニケーション不足であったり、気軽に確認できる雰囲気作り等改善策は多々あるので、臨機応変に対応することでプロジェクトがうまくいけば幸いです。


おすすめ動画でさらに理解を深める

記事で解説した内容を、実際の現場事例や改善プロセスを交えた動画でも学べます。文章+映像の二段構えで理解度を高めてください。



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