KPI設計とダッシュボード活用 |導入編:押さえるべき3つの重要ポイントを解説
- 石山 竜也
- 2 時間前
- 読了時間: 5分
数字がプロジェクトを動かし始めるのはいつか。
KPIを定義しただけでは、プロジェクトは前に進みません。
本当に動き出すのは、測定方法が整い、ダッシュボードが正しく機能し始めた瞬間です。
本稿では、成功に直結する 3つの重要ポイント をわかりやすく解説します。
導入フェーズで最も大切なのは、単に数字を集める仕組みをつくることではありません。
数字が意思決定に活用される状態をつくること。ここを誤ると、ダッシュボードはすぐに、ただの「数字の墓場」になってしまいます。
1ページ目:測定方法の設計
数字がプロジェクトを動かし始める瞬間
KPIを定義しただけでは、プロジェクトは動きません。
数字が実際に動き出すのは、測定方法が設計され、データが正しく流れ始めた瞬間です。
導入フェーズで最初に向き合うべきは、どのデータを、どこから取得するのか。
■ データソースの明確化
Redmine、BIツール、Excel、複数のデータソースが混在するプロジェクトは珍しくありません。
しかし、データソースが曖昧なままでは、
数字が揃わない
分析が歪む
意思決定が迷走する
だからこそPMOは、最初に公式データソースを決める必要があります。
この指標は Redmine
この数字は BIツール
この情報は Excel
線引きが明確になった瞬間、数字は初めて“信頼できる情報”になります。
■ 測定頻度の定義
週次なのか、月次なのか、日次なのか。
頻度が曖昧だと、数字はすぐに古くなり、誰も見なくなります。
週次 → 改善スピードが上がる
月次 → 全体の傾向が見える
日次 → 変化が鮮明に見える
更新され続ける数字こそが、プロジェクトを前に進める燃料です。
■ 測定責任者の設定
数字は、誰かが責任を持って更新しなければ止まります。
誰が
どの指標を
いつ更新するのか
これを明確にした瞬間、数字は管理されるものから、運用されるものへ変わります。
2ページ目:ダッシュボード設計の基本
数字が現場を動かし始める瞬間
ダッシュボードは、数字を並べるための画面ではありません。
数字が現場を動かし始めるための仕組みです。
そのために必要なのが、ダッシュボード設計の三つの基本。
■ ① 色分けで直感的に把握する
赤・黄・緑の3色は、ダッシュボードの共通言語。
赤 → 危険
黄 → 注意
緑 → 順調
色分けが明確になった瞬間、数字は判断できる情報に変わります。
■ ② トレンド表示で改善/悪化を見える化
単月の数字だけでは判断できません。本当に知りたいのは、
改善しているのか
悪化しているのか
横ばいなのか
折れ線グラフやスパークラインでトレンドを可視化すると、
数字は点から線へ変わり、未来の兆しが見えるようになります。
■ ③ アラート設定で早期対応を可能にする
アラートは、測定責任者の役割をシステムに組み込む行為。
閾値を超えたら通知
進捗遅延でアラート
品質低下で関係者に共有
問題が大きくなる前に気づける。
対応が遅れる前に動ける。
アラートは、現場の早期警報システムです。
3ページ目:共有とレビューの仕組み
数字がチームを動かし始める瞬間
数字は、ただ測るだけでは意味を持ちません。
共有され、対話が生まれた瞬間に力を発揮します。
■ 週次レビューでチームの共通認識をつくる
週に一度、同じ数字を見ることで、
判断基準が揃う
課題が明確になる
改善の議論が自然に生まれる
数字は個人の感覚ではなく、チームの事実になります。
■ 経営層への報告に活用する
ダッシュボードは現場だけのものではありません。
進捗
リスク
改善の兆し
これらを数字で示すことで、報告は説明から、意思決定の材料へ変わります。
■ KPIを監視ではなく対話の材料にする
KPIは監視のためのものではありません。本来の役割は、対話を生み出すこと。
なぜこの数字なのか
背景は何か
次に何を打つべきか
数字を責めるのではなく、数字を起点に未来を考える。
この姿勢が根づいたとき、プロジェクトは前へ進み始めます。
4ページ目:実例紹介
数字が成果へつながったPMO案件
PMOの価値は、仕組みを整えることではありません。
数字が動き、成果として表れたときに初めてPMOが効いたと言えます。
ここでは三つの実例を紹介します。
■ 納期遵守率95%を達成したプロジェクト
課題:遅延に気づくのが遅い
対応:
データソース統一
週次レビュー導入
遅延兆候アラート
結果:納期遵守率 70%台 → 95%へ改善
■ 不良率40%削減を実現したプロジェクト
課題:原因分析が属人的
対応:
不良発生ポイントのデータ化
工程別トレンド可視化
改善効果測定
結果:不良率 40%削減
■ ROIが改善したプロジェクト
課題:工数のムダが見えない
対応:
工数の可視化
ムダ作業の特定
改善施策の効果測定
結果:ROIが自然と改善
5ページ目:導入時の課題と対処法
数字がまだ動き出さない理由
導入初期に必ず現れる三つの課題と対処法を整理します。
■ 課題① KPIが多すぎて管理不能
対処:KPIを減らすのではなく選び直す
■ 課題② 測定方法が曖昧で信頼性が低下
対処:測定方法を仕様書レベルで明確化
■ 課題③ ダッシュボードが飾りになる
対処:使う場に組み込む(週次レビュー・経営報告・改善会議)
次回:定着フェーズ
改善サイクルと持続的運用へ
導入フェーズで整えた仕組みは、使われ続けて初めて価値を生みます。
次回は、
改善サイクルを止めない仕組み
数字を現場に根づかせる運用
プロジェクトを継続的に強くする方法
仕組みが成果に変わる瞬間を深掘りします。
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