再生請負人が見た PMO交代が頻発する案件
はじめに
この記事は、実際に私が参画した炎上プロジェクトをもとに、
PMO交代が頻発する案件の本当の原因について解説します。
PMOが短期間で交代する案件があります。しかし私が見てきた案件では、本当の問題はPMOではありませんでした。
まずはこちらの動画をご覧ください。
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PMOを入れれば解決するという誤解
炎上案件ではよくあります。PMOを追加投入します。
経験者をアサインします。体制を強化します。
しかし状況は変わらない。
数か月後。また別のPMOがやって来る。
そして状況は変わらない。なぜでしょうか。
PMOは魔法使いではないからです。
PMOが最初に壊れる理由
PMO交代が頻発する案件には特徴があります。最初に壊れるのはスケジュールではありません。人です。
最初は改善しようとします。
課題を整理する。
会議を設定する。
関係者へ連絡する。
しかし誰も決めない。
課題も動かない。責任者も反応しない。そしてPMOだけが疲弊していく。
結果として、PMOを交代させようとなるのです。
私は何度も見てきました。PMOが辞める案件は、PMOが悪いのではありません。
組織がPMOを消耗品として扱っているのです。
PMOは問題を解決できない
誤解している人が多いのですが、PMOはプロジェクトマネージャーではありません。
PMOは、
課題を整理する
進捗を可視化する
リスクを管理する
会議を運営する
ことはできます。
しかし、意思決定はできません。
決めるのは組織です。責任者です。
だから、決められない組織にPMOを何人投入しても改善しません。
なぜ私が呼ばれたのか
なぜ私が呼ばれたのか。その案件には既にPMOがいました。
課題管理表もありました。ベンダーも揃っていました。
それでも状況は改善しない。そこで、PMOを増やすのではなく、プロジェクトを立て直せる人材が必要だ。
そう判断され、私が参画することになりました。実際に現場へ入ると、問題は想像以上でした。
私が参画した案件
以前参画した案件もそうでした。PMOが次々と交代していました。
会議は毎日ある。
進捗資料も大量にある。
課題管理表も存在する。
なのに何も進まない。
そこで私は最初に考えました。PMOが問題ではないと。
課題管理表だけ立派な案件
炎上案件でよく見る光景があります。課題管理表だけが立派な案件です。
課題件数は100件。更新日も最新。色分けもされている。
しかし、
解決されていない。
誰も対応しない。
誰も決めない。
つまり、
管理しているだけです。課題管理は目的ではありません。課題解決が目的です。
この違いを理解していない案件ほど長く苦しみます。
現場で起きていたこと
よく見ると、次のような状態でした。
責任者が決めない
課題が放置される
ベンダー同士が牽制する
承認が下りない
問題がエスカレーションされない
つまり、組織が機能していない。
しかし現場は、PMOを交代させようとしていたのです。
私が最初にやったこと
参画初日。最初に確認したのは、進捗率ではありません。
確認したのは、
課題管理表
承認ルート
エスカレーションルート
意思決定者
責任分界点
です。なぜなら、炎上案件を止めるのは技術ではなく、組織だからです。
1週間で鎮火
私が最初にやった仕事は、資料作成ではありません。
会議を増やすことでもありません。やったことは、止まっている課題を動かすことです。
誰が決めるのか
いつ決めるのか
誰が対応するのか
を明確にした。すると状況が変わり始めます。
1週間後。案件は鎮火。
少なくとも燃え広がる状態ではなくなりました。
鎮火と再建は違う
ここが重要です。
炎上案件には、二つのフェーズがあります。
第1フェーズ
鎮火
第2フェーズ
再建
多くの案件は、鎮火だけを行います。
だから再発する。本当に必要なのは、再建です。
会議が増える案件は危険
炎上案件では、会議が増えます。
毎日会議。
進捗会議。
課題会議。
対策会議。
エスカレーション会議。
しかし状況は改善しない。なぜでしょうか。
決める会議ではなく、報告する会議だからです。
私は参画すると、会議の数より、意思決定の数を見ます。
会議が多いことは問題ではありません。
決定事項が少ないことが問題なのです。
全て同時並行だった
その案件では、
課題解決
ベンダー調整
体制見直し
会議改革
承認フロー整理
を同時に実施しました。
順番にやっている時間はありません。
炎上案件はスピード勝負です。
3週間後には別プロジェクトだった
現場の空気が変わりました。課題が放置されなくなる。承認待ちが減る。
会議で意思決定される。ベンダー間の責任なすり付けも減る。
特別な仕組みを入れたわけではありません。やったことはシンプルです。
誰が決めるのか。
誰が対応するのか。
いつまでにやるのか。
を明確にしただけです。しかし、それができていない案件は少なくありません。
プロジェクト再建とは、特別な魔法ではありません。当たり前を当たり前に機能させることです。
PMO交代が頻発する案件の本当の原因
私が見てきた案件では、本当の原因はPMOではありませんでした。
共通していたのは、
意思決定が遅い
課題を放置する
責任者が逃げる
ベンダー任せ
誰もオーナーシップを持たない
ことです。だからPMOを何人入れても変わらない。
再生請負人が見る危険信号
私には危険信号があります。それは、
対応中
確認中
調整中
検討中
という言葉です。
もちろん必要な場合もあります。しかし、課題管理表の大半がこの状態なら危険です。
なぜなら、誰も終わらせていないからです。
炎上案件では、進捗率よりも、未解決課題の状態を見た方が正確です。
再生請負人が最初に見るもの
私は案件に入った時、最初に進捗率を見ません。
最初に確認するのは、
課題管理表
承認ルート
ベンダー体制
組織図
意思決定者
です。なぜなら、プロジェクトを止めるのは技術ではないからです。
再生請負人の流儀
私はいつもこう考えています。
問題を見るな、原因を見ろ
PMO交代は問題です。しかし原因ではありません。原因は、組織です。
PMOを交代させる前に確認すべきこと
PMO交代が検討されたら、私は必ず確認します。本当にPMOが問題なのか。
それとも、組織が機能していないのか。
PMOは、課題を整理できます。進捗も可視化できます。
しかし、意思決定はできません。
PMOを交代させる前に、
責任者は決断しているか。
課題は放置されていないか。
組織は機能しているか。
まずそこを確認するべきです。原因を変えなければ、結果は変わりません。
まとめ
PMO交代が頻発する案件。それはPMOの問題ではありません。
本当の問題は、
意思決定の遅れ
放置された課題
曖昧な責任
機能しない組織
です。
私が参画した案件では、1週間で鎮火。
3週間で別プロジェクトのように変化しました。プロジェクトは変われます。
しかし、人を入れ替えるだけでは変わりません。
徹底的に改善することで、プロジェクトは生まれ変わるのです。
私はPMO交代が頻発する案件を見ると、PMOを疑いません。組織を疑います。
人を入れ替えても変わらない。
課題管理表を作り直しても変わらない。
会議を増やしても変わらない。
変えるべきなのは、意思決定の仕組みです。
だから私は、問題を見るのではなく、原因を見る。
これが再生請負人の流儀です。
もし現在のプロジェクトに不安を感じているのであれば、一度危険度診断をご活用ください。
また、軽度の課題についてはPMO講座もご活用いただけます。
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