top of page

再生請負人が見た ベンダーコントロール失敗で炎上する理由

  • 1 分前
  • 読了時間: 6分

はじめに

「大規模案件なのでベンダー数が多いのは仕方ありません。」

私はこれまで数多くの炎上案件や再建案件に携わってきました。


自動車業界。電力業界。インフラ更改案件。クラウド移行案件。システム移行案件。

そこで共通して見えてきたことがあります。


それは、「ベンダーが増えるほど炎上しやすくなる」という事実です。


ただし誤解しないでください。

ベンダー数が多いこと自体が問題なのではありません。


問題なのは、「責任と意思決定が見えなくなること」です。



炎上案件は突然起きない


私はこれまで、本当に突然炎上した案件を見たことがありません。

必ず前兆があります。


例えば、

  • 会議が増える

  • 報告が曖昧になる

  • 課題が放置される

  • 責任者の発言が減る

  • ベンダー間で押し付け合いが始まる

こうした小さな変化です。


しかし多くの組織は、問題が顕在化するまで気付きません。



ベンダーコントロールが難しくなる


ベンダー数が増えることで、ベンダーコントロールの難易度は急激に上がります。

しかし問題なのは、ベンダー数ではありません。


  • 責任の所在が曖昧になる

  • 意思決定が遅くなる

  • 全体最適が失われる

ことです。

私はこれまで多くの炎上案件を見てきましたが、ベンダーコントロールに失敗した案件には

共通するパターンがあります。


その代表例が、責任の所在が曖昧になり、誰も意思決定できなくなる状態です。


関連記事


関連動画

▶ 再生請負人の流儀#2 炎上案件は突然起きない

炎上案件は突然起きません。 納期遅延や品質問題は、 ある日突然発生したように見えます。


ベンダーが増えると何が起きるのか


ベンダーが増えると、一見すると体制は強化されたように見えます。

しかし実際には、次のような状態が発生します。


誰の責任か分からない


品質問題が発生する。すると、

  • インフラベンダーの問題

  • アプリベンダーの問題

  • 顧客側課題

  • 外部ベンダー要因

という話になる。


結果として、誰もボールを持たなくなります。



情報伝達が遅くなる


A社 →元請け → 顧客 → 元請け → B社

こうした伝言ゲームになります。


質問一つに数日。回答にさらに数日。気付けば数週間。

これが遅延の始まりです。


全体最適が消える


各ベンダーは自社の担当範囲を守ります。しかし、

プロジェクトは全体で成功しなければ意味がありません。


担当範囲の成功とプロジェクト成功は別物です。



会議を増やしても解決しない


炎上案件でよくあるのが、会議を増やすことです。

  • 進捗会議

  • 課題会議

  • 品質会議

  • ベンダー会議

  • 緊急会議

たくさん開催されます。


しかし改善しません。なぜでしょうか。


会議は情報共有の場です。意思決定の場ではありません。

決断する人がいなければ、何時間会議をしても状況は変わりません。


関連記事



PMOを入れても失敗する理由


PMOを導入したから成功する。そう考える会社もあります。

しかし私は違うと思っています。


関連動画

▶ PMOは魔法使いではない

PMOを導入しただけでは、プロジェクトは成功しません。 私たちは魔法使いではありません。

PMOは、

  • 課題を見える化する

  • リスクを整理する

  • 意思決定を支援する

ことはできます。


しかし、決断するのは組織です。実行するのは現場です。


関連記事



インフラ案件で特に起きやすい


特に私が関わってきた

・自動車業界の大規模開発案件

・自動車業界の大規模開発案件

では、ベンダー数が10社を超えるケースも珍しくありません。


プロジェクト規模が大きくなるほど、専門ベンダーや協力会社が増えます。

しかしその結果、

・責任分界点が曖昧になる

・情報伝達が複雑になる

・意思決定が遅くなる

という問題が発生しやすくなります。


近年増えているのが、

  • Azure移行

  • AWS移行

  • クラウドリフト

  • 基盤更改

  • システム統合

といった案件です。


これらの案件では、

  • ネットワーク

  • サーバー

  • セキュリティ

  • 運用

  • アプリ

など多くのベンダーが関与します。


そのため、責任分界点が曖昧になると一気に崩れます。

私は今後、このテーマについて詳しく発信していく予定です。


次回予告

  • 再生請負人が見た クラウド移行失敗の前兆

  • 再生請負人が見た 基盤更改失敗の共通点

  • 再生請負人が見た システム移行遅延の真因

  • 再生請負人が見た インフラ更改トラブルの現場

  • 再生請負人が見た 切替直前に崩壊する案件



再生請負人が最初に確認すること


私が現場に入って最初に確認するのは、WBSではありません。課題管理表でもありません。

まず見るのは、誰が決めるのかです。


  • 最終責任者は誰か

  • スケジュールを決める人は誰か

  • 品質判断をする人は誰か

  • 予算判断をする人は誰か

これが曖昧な案件は高確率で炎上します。


まとめ


ベンダーが増えるほど炎上する。そう言われることがあります。

しかし本当は違います。ベンダーが増えることで、


  • 責任が曖昧になる

  • 情報伝達が遅くなる

  • 全体が見えなくなる

  • 意思決定が止まる

これが炎上の原因です。


再生請負人は問題を見ません。原因を見ます。

炎上案件を止めているのは技術ではありません。


組織です。そして多くの場合、ベンダー数ではなく、

責任と意思決定の曖昧さこそが本当の原因なのです。


もし現在のプロジェクトに不安を感じているのであれば、一度危険度診断をご活用ください。


また、軽度の課題についてはPMO講座もご活用いただけます。



関連記事



記事末尾のおすすめ内部リンク




再生請負人|炎上プロジェクト再建専門|SBC株式会社


 
 
 

コメント


特集記事
最新記事
bottom of page