再生請負人が見た システム移行が遅延する本当の理由
- 12 時間前
- 読了時間: 4分
はじめに
「移行作業の遅延が発生しています。」プロジェクトの現場ではよく聞く言葉です。
システム移行案件では、
移行計画の遅延
テストの遅延
データ移行の遅延
リリース延期
が発生します。
多くの人は、
人員不足
工数不足
技術的問題
を原因だと考えます。
しかし、私がこれまで携わってきた自動車業界や電力業界の大型案件では少し違いました。
本当に遅延を発生させているのは、技術ではありません。意思決定の遅れです。
遅延は突然発生しない
炎上案件と同じです。システム移行の遅延も突然発生しません。
必ず前兆があります。例えば、
課題が増えている
レビュー待ちが増えている
判断保留が増えている
会議が増えている
報告が曖昧になる
こうした小さな変化です。
しかし多くの組織は、スケジュールが破綻して初めて危機感を持ちます。
移行計画は正しく作られている
多くの案件では、移行計画そのものは存在します。
WBS
ガントチャート
移行スケジュール
すべて作成されています。
問題は計画ではありません。計画通りに進めるための判断が行われていないことです。
よくある遅延パターン
現行調査が終わらない。システム移行の基本は現行調査です。
しかし、
システムが複雑
ドキュメント不足
担当者不在
により調査が長期化します。すると後続工程がすべて遅れます。
課題が放置される
移行案件には必ず課題が存在します。問題は課題の存在ではありません。
放置されることです。会議で報告されても、
・確認します
・検討します
・調整します
だけで進まない。これが最も危険です。
責任分界点が曖昧
移行案件では、
顧客
SIer
ベンダー
運用部門
が関与します。
その結果、
・誰が決めるのか
・誰が責任を持つのか
・誰が承認するのか
が分からなくなります。すると遅延が発生します。
遅延案件でよく聞く言葉
再生請負人として現場に入ると、高確率で次の言葉を聞きます。
・想定より時間がかかっています
・調整中です
・関係者確認中です
・承認待ちです
これらが増え始めたら危険信号です。
実際には作業が遅れているのではありません。
判断が止まっているのです。
テスト工程で遅延が顕在化する
システム移行では、テスト工程で問題が表面化します。なぜでしょうか。
それまで見えなかった問題が一気に顕在化するからです。
データ不整合
性能問題
インターフェース不具合
運用設計不足
本来は設計段階で解決すべき問題です。しかし判断が先送りされた結果、テスト工程で爆発します。
自動車・電力案件で感じること
私が関わってきた大型案件では、移行対象が数百サーバになることもあります。
しかし、サーバ台数が多いから遅延するわけではありません。
実際には、
判断が遅い組織
責任が曖昧な組織
リスクを隠す組織
ほど遅延します。
逆に、問題を早く共有する案件は大規模でも進みます。
再生請負人が最初に見るもの
私が遅延案件へ入った際、最初に見るのは進捗率ではありません。
確認するのは、
未決事項
承認待ち一覧
課題管理表
責任者一覧
です。
なぜなら、システム移行を止めるのは作業ではなく、意思決定の停滞だからです。
まとめ
システム移行が遅延する理由は、技術的な問題だと思われがちです。
しかし実際には、
現行調査不足
課題放置
責任分界点の曖昧さ
承認遅延
意思決定不足
が原因であることが少なくありません。
再生請負人は問題を見ません。原因を見ます。
そして多くの移行案件で本当の原因は、技術ではなく、
決められない組織に存在しているのです。
もし現在のプロジェクトに不安を感じているのであれば、一度危険度診断をご活用ください。
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