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「対応中・確認中・調整中」が危険な理由

1 分前
読了時間: 6分

対応中・確認中・調整中が危険な理由


対応中。確認中。調整中。炎上案件で、必ずと言っていいほど聞く言葉です。本記事では、対応中・確認中・調整中が危険な理由について、実際の炎上案件や再建案件の事例を交えながら解説します。


一見すると問題のない報告に見えます。しかし、この言葉が増え始めたプロジェクトほど、後から大きな問題が表面化するケースを数多く見てきました。


プロジェクトを壊すのは障害ではありません。仕様変更でもありません。納期遅延でもありません。

プロジェクトを壊すのは、「みんな状況を分かっている気になっていること」です。


「対応中」「確認中」「調整中」という言葉が飛び交い始めたら要注意です。

それは進捗報告ではなく、問題が見えていないサインかもしれません。


▼動画で見る方はこちら

対応中。確認中。調整中。 炎上案件で、よく見る言葉です。

以前、私が支援に入った炎上案件でこんな会話がありました。

PM「課題Aはどうなっていますか?」

担当者「対応中です」


PM「課題Bは?」

担当者「確認中です」


PM「リリース日は?」

担当者「調整中です」


一見すると問題はありません。全員が何かしら動いているように聞こえます。

しかし、この会話は毎週繰り返されていました。


そして1か月後。納期は遅延。課題は未解決。関係者は疲弊。

典型的な炎上状態になりました。


なぜか。誰も嘘は言っていなかったからです。

そして、誰も現状を説明できていなかったからです。



炎上案件は突然始まらない


多くの人は、

  • 障害が発生した

  • リリースに失敗した

  • 納期に間に合わなかった

から炎上したと思っています。


しかし実際は違います。炎上案件は突然発生するのではありません。

数か月前から兆候があります。その兆候の一つが、

  • 対応中

  • 確認中

  • 調整中

という曖昧な報告です。


最初は小さな違和感です。しかし、その違和感を放置すると、やがて誰も現状を説明できなくなります。

そして気付いたときには、「なぜもっと早く分からなかったのか」という状態になります。



「対応中」は何も報告していない


例えば、「課題Aはどうなっていますか?」と質問したとします。

そこで返ってきた回答が、「対応中です」だった場合。実は何も分かりません。


  • 原因調査中なのか

  • 修正中なのか

  • 顧客説明中なのか

  • ベンダーへの依頼待ちなのか

すべて不明です。


極端な話、昨日も対応中。今日も対応中。来週も対応中。これでも嘘ではありません。だから危険なのです。

プロジェクト管理で必要なのは、「動いていること」ではありません。「どこまで進んでいるか」です。



「確認中」が案件を止める


私が現場で最も多く聞く言葉は、「確認中です」です。しかし、確認中という言葉の裏側を見ると、

実は単に待っているだけのケースが少なくありません。


例えば、「ベンダーへ確認しています」と言いながら、

  • 回答期限なし

  • 催促なし

  • エスカレーションなし

ということがあります。


その結果、1週間後の定例会。「どうなりましたか?」「まだ確認中です」

さらに翌週。「どうなりましたか?」「まだ確認中です」となります。


確認しているのではありません。待っているだけです。本来であれば、

  • 回答期限を設定する

  • 回答がなければ催促する

  • さらに回答がなければエスカレーションする

  • 最悪の場合の代替案を準備する


ところまで考えておく必要があります。優秀な人ほど、確認するだけではなく、結果を取りに行きます。



一番危険なのは「調整中」


私はこの3つの中で、最も危険なのは「調整中」だと思っています。

なぜなら、責任者が存在しない状態が隠れていることが多いからです。


例えば、「リリース日は決まりましたか?」という質問に対して、

「現在調整中です」と回答があったとします。


すると、仕事が進んでいるように聞こえます。しかし実態を確認すると、

  • 営業は開発待ち

  • 開発はインフラ待ち

  • インフラは顧客回答待ち

  • 顧客はベンダー回答待ち

全員が待っている。


誰も決めていない。そんな状況が珍しくありません。

つまり、調整中という言葉の正体は、意思決定の不在なのです。


決める人がいない組織では、調整という言葉が増えます。決める人がいる組織では、結論が増えます。



課題管理表を見ると案件の健康状態が分かる


私が炎上案件へ入ったとき、最初に見るものがあります。それは課題管理表です。そこに、

  • 対応中

  • 確認中

  • 調整中

  • 検討中

  • 協議中

が大量に並んでいたら危険信号です。


なぜなら、管理されているのが課題ではなく状態だからです。

本来管理するべきなのは、「今何をしているか」ではありません。「次に何をするか」です。


課題管理表は、ステータスを書くためのものではありません。行動を管理するためのものです。



優秀な人の報告は具体的


優秀な人は曖昧な言葉を使いません。例えば、「A社へ確認依頼済みです。回答期限は11月10日17時です。未回答の場合は11日に部長経由でエスカレーションします」


この報告であれば、

  • 誰が

  • 何を

  • いつまでに

  • 次に何をするか

が全て分かります。


だから追加質問が不要です。だから信頼されます。つまり、優秀な人は説明が上手なのではありません。

状況を正確に把握しているから説明できるのです。



私がPMOとして必ず確認する4項目


報告を受けたら、私は必ず次の4点を確認します。


① 誰がやるのか

担当者は明確か。


② 何をやるのか

具体的なアクションは定義されているか。


③ いつまでにやるのか

期限は設定されているか。


④ 失敗したらどうするのか

次の打ち手は準備されているか。

この4つが答えられなければ、その課題は管理されていません。放置されているだけです。



まとめ


私はこれまで、多くの炎上案件や再建案件に入ってきました。そこで共通していたのは、

技術力不足ではありません。人員不足でもありません。報告の曖昧さです。


  • 対応中

  • 確認中

  • 調整中

この言葉が増え始めたら要注意です。


そのプロジェクトでは、課題が管理されているのではなく、放置されている可能性があります。

仕事ができない人は、状態を報告します。


  • 対応中です

  • 確認中です

  • 調整中です


仕事ができる人は、事実を報告します。

  • 誰が

  • 何を

  • いつまでに

  • 次に何をするのか

まで伝えます。


私が見てきた炎上案件の多くは、技術的な問題で失敗したのではありません。

曖昧なコミュニケーションが積み重なった結果、失敗したのです。


もしあなたが次の会議で、「対応中です」と言おうとしているなら、一度立ち止まってください。

その言葉は進捗報告でしょうか。それとも、考えることを止めるための便利な言葉になっていないでしょうか。



もし現在のプロジェクトに不安を感じているのであれば、一度危険度診断をご活用ください。


また、軽度の課題についてはPMO講座もご活用いただけます。



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